訪問介護の現場から・・・

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出来ることは奪わないで!

 私は、要支援の方と一般高齢者が利用されている施設に従事していた6年の間、男性高齢者や女性高齢者、要支援の高齢者を対象に、月1回の調理講座を担当していました。

 要支援のグループには、パーキンソン病や認知症、高次脳機能障害などの疾患のある方と、96歳の高齢女性が参加されていました。それぞれの方が調理を通して「こんなことがまだできた!」と喜びに結びつく作業はなにかと探し、分担して頂くことにしていました。家族の思いで家事をすることが許されなかった96歳の女性。昔取った杵柄、ピーラーを差し出しても包丁で皮を剥き、トントンと軽やかな音をさせながら野菜を刻み、両隣と見比べながらも声を出さず集中!若い担当者が大声で「私より上手!」と言われ、他の皆さんも生き生きする。いつものふらつきある動作や意欲のない態度に変化が見られ、「天ぷらあげてみようかしら」とパーキンソン病の女性、「キャベツの千切りは僕がする」と元調理人の高次脳機能障害の男性、いつも小食の女性はいっぱい食べて、おなかを前に突き出し両手で「ポンポン、もう動けない!」とみんなで大笑いする。

 この年でも介護職に魅力を感じているのはこのような場面に関わり、喜びを分け与えて戴けたからだと思います。

(ヘルパー 辻豊子)

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