訪問介護の現場から③

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共に行う調理

辻豊子

利用者の方とともに調理をし、お皿を選ぶことだけでも食事が変わる。調理が楽しくなり食材に興味が出て買い物同行が始まる。いろいろな材料に興味がわき献立が増える。一人の時も作ってみたくなり訪問した時に作ったものを見せてくださる。結果食事量が増え健康をとり戻せる。私は、利用者の方と関わりながら、このようなことを願っていたと思います。
 入院中に薬の関係で血糖値が上がった高齢者。退院時に「カロリーが守れれば血糖値は下がりますよ。」と言われたことで「協働の調理」の依頼がありました。70代の一人住まいの女性で、自分で調理をされていた方でした。服薬無しの生活を望まれていたので不満なく楽しんで調理ができました。最初のころ、本人から「果物は何を食べても大丈夫でしょう?」「果物・野菜ジュースは飲んでもいいのよね!」と尋ねられていました。私は「好きに飲んではだめですよ」との回答に対し、本人は「え!そうなの?」と驚かれ、果物やジュースにも糖分が含まれていることなどをお伝えしながら調理をしました。毎回冷蔵庫にある食材で料理内容を考えて作っていたのですが、ある日、にこにこして「先生がね、もう薬飲まなくて良いって」と伝えてくださった日は2人で抱き合って喜んだのを覚えています。介護職として「卒業」という喜びを感じた日でした。振り返ってみれば、私の記憶に残こる「食事介助」は自立に向けての支援が多いように感じます。

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