地域を繋ぐ食支援~ケアマネジャーの視点から~

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株式会社モテギ
モテギケアプランニング新宿
主任介護支援専門員
森岡 真也

◆介護の相談はどこにする?
介護相談をする場所は、それぞれが置かれている状況に応じて変わってきます。家にいて介護保険サービスを利用していない場合は「地域包括支援センター」、介護保険サービスを利用している場合は「担当のケアマネジャー」に相談します。入院している場合は病院の「医療ソーシャルワーカー」、「退院支援看護師」などに、また入所している場合は「入所先の相談員」などになります。どこに相談してよいかわからない場合、またはセカンドオピニオンを聞きたい場合は公的な相談窓口として「地域包括支援センター」、民間の相談窓口として「暮らしの保健室」などがあります。
「地域包括支援センター」は総合相談支援業務、介護予防ケアマネジメント、権利擁護業務、ケアマネジメント支援、地域ケア会議を担い、また「ケアマネジャー」は「介護の知識を広く持った専門家で、利用者に適したケアプランを作成し、利用者とサービス提供事業者の間に立って連絡調整をする『介護保険の道先案内人』」と言われており(ハートページ 新宿区版より)、介護現場においてそれぞれ重要な役割を果たしています。

◆介護保険の基礎知識
介護保険法に基づく介護保険の基本理念は、介護を要する者の「自立支援」「尊厳の保持」「介護予防」「能力の維持向上」に置かれています。そして介護予防の概念は、一次予防:生活機能の維持向上、二次予防:生活機能低下の早期発見・早期予防、三次予防:要介護状態の改善、重度化の予防、となります。そのため、介護保険は加入者(被保険者)、サービス提供事業者、市区町村(保険者)が皆で支え合う仕組みとなっています。
サービスの種類は様々ですが、最近ではフォーマルサービス(制度化された社会資源。医療、行政、介護保険、公的サービスを提供する民間組織によるサービス)以外のインフォーマルサービス(制度化されていない社会資源。具体的には、親戚、友人、知人、近隣の人、ボランティア、自治会等。)が注目されており、民間の配食サービスや、移動スーパーなどの活用が増えています。

◆食支援における連携とは
病院内で構成されるNSTとは異なり、在宅の食支援チームは在宅療養者の状況(地域性、環境面、本人の希望等)にて構成するため、チームメンバーが固定できません。そのためチームをコーディネイトする職種が必要不可欠であり、相談援助職の役割となることも多いです。必要な支援(全身の管理、栄養管理、口腔環境整備、口腔ケア、摂食嚥下リハビリ、食事姿勢調整、食事環境調整、食事形態調整、食事作り、食事介助、など)に応じて、各専門職(医師、看護師、薬剤師、歯科医師、歯科衛生士、管理栄養士、ST、PT、OT、ケアマネジャー、ヘルパー、福祉用具専門相談員、配食、など)がそれぞれの強みを生かす形で地域食支援を担っていくのです。
多職種の食支援チームが機能することで、多方面において本人、家族への期待する効果が大きくなり、各職種の専門分野以外の効果(体調不良の早期発見、家族の精神面等の変化に早めに気づける、介助面の工夫、緊急対応等)、専門分野を各専門職に任せることによって、他の問題に今まで以上に時間を割ける専門職が出てくる、などが期待されます。
ここで最も大事なことは、①本人、家族の希望に寄り添えるチームの構成(腕と腹のみえる連携)、②本人、家族とチームの合意、意思統一(サービス担当者会議の活用)、③多職種が有機的に関われるよう、日々の連携をスムーズに行う(連携のツール)、となります。

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